また2話構成に戻って、いつもどおりに、マンガチックで乙女チックでちょい黒で、SFでニートな感じの内容となっております。
人類衰退(私的略称)の魅力は、作品としては壮年期を越えた人類(というよりも書き手・読み手である日本人)の悟達の境地に対する同時代人的な心地よさでしょう。
あずまんがや苺ましまろに通ずる、優しい世界、傷つけない人たちへの憧れと諦観。現実的には滅びの許容。
いいか悪いかは置いておいて、時代の空気をおそろしく鋭敏に捕らえております。
今作は食用チキンが走り出す不思議の国のアリスのようで古典SFのようでキリスト教のようでな話と、漂流記のようで女王と建国神話のようでやっぱりSFのようでな話の2話。
ゲンコツをくれる笑顔のおじいさんが印象的です。
それにしても「鬱の雨雲」はすごい!
鬱の雨雲はマンガ表現的にはポピュラーですが、それを活字にとりこみ、「比喩かなー」と思ってたら物語をカタストロフに引き込むファクターにしてしまうとは!
尋常な筆力じゃあありません !!
2008年12月30日火曜日
2008年12月29日月曜日
PLATONIC SEX (小学館文庫)
飯島愛は、頭のよい、自己をもった人間だ。
小学校から中学1年生までは親の言うことをしっかり聞き、
勉強もできた優等生であったが、中学2年ころに自我が芽生えてから、
突如としてその人生は角度を変えることになった。
もちろん家庭の世間体を意識する姿勢、あまり褒めない姿勢が
あったことも否めないが、大部分は本人の自我が人生の方向転換を
させたように感じた。
家出、ディスコがよい、セックス、騙し、援助交際、AV…
そこには、「その場が楽しければいい」という刹那的な考えが見え隠れしている。
しかし、どの道でも自己を貫きながらも、そこそこ成功していく。
AV女優からタレントや女優になった例は極めて稀有である。
それを夢見て一生懸命カラダを売っているAV女優をよそめに、
飯島愛はタレントとしても成功をおさめていく…
AV女優出身でタレントとして成功した、極めて希有な存在の飯島愛の
成功の秘訣は、しかし、この「今を楽しむ」ことにあったようにも感じる。
いわゆる「人並み」の生活とはかけ離れた一人の自叙伝としてどうぞ。
2008年12月27日土曜日
彩雲国物語 黒蝶は檻にとらわれる (角川ビーンズ文庫)
読み終わった瞬間に思わずうなってしまった。面白い。面白すぎる。これは期待以上。楽しみに待ってたかいがあった。
物語はどんどん進んでいき、秀麗はどんどん窮地に追い込まれていってます。清雅との関係も目が離せない。二人、すごく合ってるのにな~。。。上司である皇毅とのやりとりも笑えるし、じーんとくる。こうも感情が入ってしまうのは、今の人間関係や仕事上の地位は秀麗が一生懸命頑張って手に入れたものだからなんですよね。失敗もしつつ、馬鹿にされつつ、振り落とされつつ、それでも這い上がってきたからとても熱くなる。
今まで張り巡らされてきた伏線が綺麗に回収されていっているのも見もの。謎が解けていく過程にはハッとさせられるし、謎が解けた瞬間にはニンマリさせられる。実にうまい。ラスト付近では冗談抜きでぐっときた。秀麗が頑張ってきたからこそ、このままああなってしまうのは無念だな……。
それにしても劉輝は大丈夫なのか……??
周囲の人たちがあれだけ策を張ってるのに、彼は何もしてない。ただ玉座に座っているだけの王。いてもいなくても大して問題じゃない。これから先、今の八方ふさがりを覆すことが彼にできるんでしょうか。もしそうなら、すごいけれども。
とにかく、秀麗の今後が気になります。彼女が夢を捨てなきゃいけないような事態になるのは辛すぎる。。。
文句なしに怒涛の展開。『彩雲国物語』の読者でよかった!と思った一冊でした。
2008年12月25日木曜日
飯島愛 死去
木村藤子に生年月日を聞かれると「最後だから本当のこといいます。1972年10月31日生まれ」とプロフィールと同じ生年月日を答えた。
すると木村藤子は「嘘言ってる」とズバリ
飯島愛は「えっ!?嘘って?生年月日?」ととぼけると
木村藤子は冷静な口調で「ストレートに言わせていただきます。あなたそのくらいで、腎盂全とかでやめるとか責任のないことする人じゃありません!これはもう私の信用にかけて、神様の信用にかけてそういう人じゃありません。
今芸能界を引退せずに乗り切って2、3年のち違う考えが出てくると思います。あなたの(心の中に)大きなものがあるからそれをきちっと分かってると思います。私は今乗り越えたほうがいいと思います。
あなたは決めれば引けない人だと思います。でもそれがあなたの欠点なんです。
これを機会に(引退について)考え直したほうがいいです。
(すでにマスコミに引退について報じられているが)報道とかは大丈夫。言った手前とか言っても本心じゃないんですから。彼女は裏切っていませんから。
今が人生最高の時期。変えてはいけない時期。この前鑑定したとき言えばよかったと思っています」と鑑定
鑑定途中に飯島愛は何度も木村藤子に真実は言っちゃダメという言動をしていたが「でもこの前の鑑定のときは私が(引退について)言わないでくださいって言ったの」とフォロー
すると木村は「事情がお分かりいただいているのであればいえませんがこれらすべてを踏まえていれば目をつむるべきだと思います。
どんなことがあっても(引退する)時期じゃない。
4、5年たつとすごく悔いが残るのが見える。あえてココまでで」
その後マイクを外した木村藤子は飯島愛にスタジオの陰で未来鑑定の詳細を伝えた。すると飯島愛は「本当かぁ!怖えー私帰る」と絶叫
その後スタジオに戻ってきた飯島愛は鑑定結果について「全部(木村藤子は)分かっていた。私のために言わないでくれていた。」と感謝の意を告げ3/17の収録は終了。
2週間後の3/31、飯島愛引退日に行われた「金スマ」の収録
飯島愛は3/17に木村藤子から「結論は3/28まで先延ばしするようにといわれていた。なんで3/28なんだろうと思っていたら、引退特番が組んであった3/25の『サンデージャポン』が地震報道のため生放送冒頭3分のみになった。
で、急遽3/28に引退を表明する番組が決まって」と打ち明けた
木村藤子の霊能力は何らかの原因で3/25に飯島愛が引退を表明することができないことを予言していたのだ。
恐るべき霊能力!!
だが飯島愛の決断はやはり芸能界引退。
最期に飯島愛は「芸能人としてここまでこれたのは奇跡的にラッキー。
でも限界だと思うの。ほかに色々やりたいことがあって本当は芸能人しながらほかのことができたらラッキーだと思うけど。
変なプライドがあるのかもしれないけど。止めてくれる人がいる今やめるほうが幸せだと思うし。本当幸せでした」と涙を流した
(以上4/6放送「中居正広の金スマ」より)
本当の引退理由は腎盂全だけではないのがはっきりしました。
3/17の鑑定途中、中居正広が「愛ちゃんは間違ってないんだけど、折れないきゃいけない事情があるのか」と木村藤子に聞いたら「これ以上つっこまないでください。事情があるのでうっかり話してしますといけませんから」と答えていた。
飯島愛だけで解決できない問題があるようですね。飯島愛が「ちがう、私はもっとずるいの」と涙ながらに語っていたのも印象的でした。
木村藤子が飯島愛だけに告げた驚愕の未来(番組中にテロップで「驚愕の未来」と流れていた)とはいったいどんな未来だったのでしょうか。
それでもなお引退を選んだ飯島愛の決断は吉と出るのか?
飯島愛さん 死因は特定できず
2008年12月21日日曜日
不気味で素朴な囲われたきみとぼくの壊れた世界
予告では串中弔士が中学三年生の時の事件ということでしたが、実際にはあの事件から十四年後、私立女子高校の倫理教師となった串中弔士の周辺で起きる事件です。あの弔士くんが教師しかも倫理教師となり、かつ、スクールカウンセラーの真似事までしているという状況も意外ですが、
合わせて、あの病院坂迷路のバックアップと名乗る人物、病院坂迷路が臨時教師として登場してきます。そして、事件は、串中先生と(巻き込まれた)病院坂先生が、同僚の遺体をバスケットゴールにひっかけられた状態で発見するところから、幕が開かれるのです。
次々と起きる殺人事件が病院坂迷路の視点で語られ、畢竟、串中弔士も迷路の視点から描き直される。他者の目から見た自分。
第三者的視点で見ているつもりが、いつの間にか反転してしまう。そして事件の終幕。通常いう意味でのミステリーではないと思うので、本格ミステリー好きには気に入られないかもしれない。
十四年前に登場した人物やその関係者が様々な形で再登場し、描かれていない十四年間にどのようなやり取りが行われたのかを妄想させてくれます。
2008年12月20日土曜日
森に眠る魚
角田光代さんの作品を読むのはまだ3冊目(『Presents』『対岸の彼女』『森に眠る魚』)ですが、『対岸の彼女』に続き、この作品でも 知りたくなかった自分の中にもある汚い部分…”心の闇”や”弱さ”に気づかされてしまいました(笑)
題材となる事件を知っていたので、「事件を起こすのは登場人物の中の誰なんだろう???」と興味深くて、一気に読み進んでいきました。ところが、最後の最後まで全くわからない!!
登場人物達の全員が心の中に大きな闇や猜疑心・嫉妬心を持ち、その誰が事件を起こしたとしても不思議ではないのです。
タイミングが違えば誰でもが事件の犯人になり得る。本当に恐ろしい本でした。
心の揺れやすい人(私もそうです)に、是非読んで欲しいです。これから先、深い闇に陥ることがあるかもしれません。そんな時(葛藤しているのは自分だけじゃない)(誰だって皆同じなんだ)それに気が付けば、自分が苦しい時にも他人を思い遣ることができたり・踏みとどまれたりするのかもしれません。
嫌な事からは目をそらしにくいものですが、「撤退も勇気」です。
今いるステージで輝けない人でも、ステージを変えれば輝く事ができる。そういうことって多々あります。登場人物の全女性達の泣いている背中を抱きしめてあげたくなりました。
これから角田さんの作品を読破しようと思ってます。
2008年12月16日火曜日
乃木坂春香の秘密〈9〉
今回は春香芸能界デビューか?という話。あとがきにもあるように今回は裕人の視点で書かれている部分が多い。
それだけ裕人が葛藤したからであるが、春香への想いをはっきり自覚する結果に繋がったと言える。
今まで当たり前だったことが変わるかもしれないと知って初めて気付くその存在の大きさを学んだということだろう。
そのことを示唆してくれた【姫宮みらん】が何気にイイ仕事をしている。今回の登場の仕方のままだったら単なるウザいヤツで終わっていたが、ホントは善いヤツじゃん、というところ。
逆にダメなオトナを象徴していたのが春香をオーディションへ誘導した茅原さん。最初から最後まで嘘で固めている。オドオドして人の良さそうな印象だが、やってることは独りよがりの身勝手である。
オトナの事情もあるだろうからオーディションに参加させるまでは百歩譲るとしても、春香一人のために、しかも春香の意志も考慮せずに、オーディションに応募した他の多くの人達の夢と希望を踏み躙ろうとしたことは決して許されるものではなく、その前にこの人は乃木坂家を相手に何をしているのかと思っていたら案の定な結果になっていた。
お父さんにばれたら、という美夏の言葉が読み手の心情を代弁している。終わってみれば茅原さん以外には誰も迷惑を被らず、オーディションも正当に行なわれ、裕人の本気も春香に伝わるミラクルな展開になっており、作者の良心が見て取れるなかなか秀逸な結末とも言えよう。
最後に溜飲が下り、この話が巻を跨ぐことなく終わってやれやれである。さらに、今回も変に気を効かせたために報われなかった椎菜がなぜに?という行動で終わっているので早くも次巻が楽しみである。
ただ、裕人の想いが春香の方へぐっと傾いた直後だけにまたもタイミングが悪いなぁと思うのだが。
2008年12月15日月曜日
ミロクの巡礼 グイン・サーガ124
まだ「風雲の序章」といった内容で、
物語が風雲急を告げる感じはまったくありませんが、
久々にグインサーガらしいおもしろい巻でした。
それぞれの登場人物の「愚痴」も大分少なくなり、
物語の深みを増す「想念」程度になっていて、
読んでいてもおもしろいのと、
久々にいろいろな方々が登場するので、
とても楽しく読めました。
また久々に「旅」的内容があり、
タイス編のような過度な記述もなく、
楽しめる内容でした。
中身はタイトルの名の通りで、
ミロクの聖地ヤガが、
いよいよ大きな焦点となってきそうな雰囲気。
来年以降のグインサーガに期待したいところです。
2008年12月11日木曜日
俺の妹がこんなに可愛いわけがない〈2〉
気のせいかもしれませんが、1巻に比べ、より妹のツンツン度が高くなってるような気がします(デレはごく稀に発生します)
俺自身、実際に妹はいませんが、毎度毎度こんな理不尽な対応をされたらたぶん泣いちゃいますよ俺(苦笑)
前回はオフ会デビュー。そして、今回はコミケデビューと、着実にオタク道をステップアップしている妹なわけですが、1巻のクオリティーを維持しつつとても面白かったです。
まさにライトノベルの王道といったところでしょうか。小難しい話なく気軽に何度でも読めるのでお勧めできます。
2008年12月10日水曜日
彩雲国物語 黒蝶は檻にとらわれる
読み終わった瞬間に思わずうなってしまった。面白い。面白すぎる。これは期待以上。楽しみに待ってたかいがあった。
物語はどんどん進んでいき、秀麗はどんどん窮地に追い込まれていってます。清雅との関係も目が離せない。二人、すごく合ってるのにな~。。。上司である皇毅とのやりとりも笑えるし、じーんとくる。こうも感情が入ってしまうのは、今の人間関係や仕事上の地位は秀麗が一生懸命頑張って手に入れたものだからなんですよね。失敗もしつつ、馬鹿にされつつ、振り落とされつつ、それでも這い上がってきたからとても熱くなる。
今まで張り巡らされてきた伏線が綺麗に回収されていっているのも見もの。謎が解けていく過程にはハッとさせられるし、謎が解けた瞬間にはニンマリさせられる。実にうまい。ラスト付近では冗談抜きでぐっときた。秀麗が頑張ってきたからこそ、このままああなってしまうのは無念だな……。
それにしても劉輝は大丈夫なのか……??
周囲の人たちがあれだけ策を張ってるのに、彼は何もしてない。ただ玉座に座っているだけの王。いてもいなくても大して問題じゃない。これから先、今の八方ふさがりを覆すことが彼にできるんでしょうか。もしそうなら、すごいけれども。
とにかく、秀麗の今後が気になります。彼女が夢を捨てなきゃいけないような事態になるのは辛すぎる。。。
文句なしに怒涛の展開。『彩雲国物語』の読者でよかった!と思った一冊でした。
2008年12月8日月曜日
俺の妹がこんなに可愛いわけがない
隠れオタの強気な妹と、オタ系には無関心の兄が繰り広げる新感覚コメディ。
イケてる女子中学生がエロゲーマニアというギャップがまず面白い。さらに、兄を虫ケラとしか思っていないような無関心な態度や罵倒の数々も面白い。
なんといっても、オタクの趣味が兄にばれてしまった後の妹の態度の変化が見所。
表面上はたいして変わりないのですが、所々で素直にデレて妹らしい仕草や行動を見せます。
兄はそんな妹に動揺しつつも、だんだんと妹の趣味に理解を示していきます。
そんなこんなで妹と兄の関係が少しずつ変化していくのがこの物語の主軸。
文章には実名でオタ系の用語が出てきたり、色々とマニアックな内容も含まれています。
さらに物語に出てくるオタキャラと妹のアニメ口論も色々ぶっとんでて面白いです。
物語全体としては、主人公の兄がオタクな内容に戸惑い、つっこみを入れるというスタンスが多い。
全体的にも文章は悪くないと思うし、イラストもキャラデザも素晴らしいと思います。
ラストもなかなか怒涛の展開で、読んでいて最初から最後まで飽きなかったです。
最後の最後で、この妹の真の可愛さにあなたも気づくことでしょう・・
2008年12月7日日曜日
追憶のカレン―クラッシュ・ブレイズ
シェラがリィと離れ、セントラルで開かれる手芸の展示会に出かけたまま行方不明となった。そのときの状況が、現地で知り合った女の子と二人連れというものだったため、現地警察は思春期の少年のちょっとしたロマンスと捉え、真剣に捜索しようとしない。しかし数日後、連れの少女が溺死体となって発見される。そばではシェラの靴も落ちていた…
同じ頃、グレン警部はウォルナット・ヒルで、シェラにそっくりの瞳をした少年と出会う。
だが、髪の色も肌の色も違う。事前にルウからシェラ捜索の依頼を受けていた警部は、訝りながらも二人に連絡を取る。
そして、辺境のクーア財閥といわれるレイブンウッド家を相手に、シェラを取り戻すための対決が始まった…
という感じで、今回のメインはシェラです。
シェラは女の子に対しては女の子的な感じで対応するので少年的な面はあまり見られませんが、
今回は少し趣が違います。
しかし残念ながら、冒頭で判明するように、相手の少女であるカレンは亡くなってしまうのですが。
何十年も昔の亡霊によって、いまを生きる者が殺されてしまったようで、悔しい限りです。
2008年12月6日土曜日
このミステリーがすごい! 2009年版
2008年に出版された国内作家、翻訳作品のそれぞれのベスト20が紹介されています。
年末に発売されるガイドブックのいわば元祖にあたるもので、今年で21年目だそうですが、
毎年傾向を比較しても面白いかもしれません。
500円と早川書房のものと比べて安価で、コストパフォーマンスは高いでしょう。
20位以下のランキングもタイトルのみ紹介されているところや、
各出版社の来年の邦訳作品の予告が紹介されている点も早川とは異なります。
2008年12月5日金曜日
ナイチンゲールの沈黙 海堂尊 (チームバチスタ作者)
まずとりあえず、面白いです。
読む価値はあると思う。
良くも悪くもチームバチスタと比較されるんだろうなぁ…
チームバチスタは出て速攻ハードカバー買ったんですが、
それとこれを読んで思ったのが、
この作者は脇役を作りたくない。
というか普通人が生きてたら皆主人公だろ?
っていうようなスタンスがある。と感じました。
間違いではないし、おおいに結構。
ただ、小説には脇役も必要。
今回の作品はキャラを作りすぎてガチャガチャな印象があります。
皆でワイワイガヤガヤ、登場人物が多すぎるのもそれに拍車をかけてる。
チームバチスタはキャラ立ちが功を奏した感じですが、
今回はそのガチャガチャ感が残念です。
文章としては洗練されてきてるのがわかるので
次回・次々回作あたりがさらに面白くなるのではないかなぁ…
と、かなり期待してます。
けどね、批判してるわけじゃないです。
単体としてみれば、話もミステリー調によくできてて
かなり面白いので。
そう、この人の作品は面白いんです。
まぁ読んでみましょうや。
2008年12月4日木曜日
螺鈿迷宮
オリジナルは、2007年11月30日リリース。
海堂氏はいつも小説というメスで日本医療の患部はどこか、
を白日の下に曝す。
『ジーン・ワルツ』では産婦人科医がなぜ激減したかだけでなく、
明治時代のまま変わらない法律の矛盾や、アンケートばかりとっている厚生労働省の逼迫した現実への無反応・無為無策さ、
名ばかりの少子化対策といったあらゆるものの問題点を全て提示していた。
『ジーン・ワルツ』が人間の『誕生』への問題提起であるとすると、本作は人間の『死』に対する問題提起として書かれている。
そしてこの2つの小説は対となって構想されたのでは、と思える。
デビュー作の『チーム・バチスタ・・・』で既に死者へのMRI検査の重要性を説いているが、
本作では医者とは切っても切れない『死』の問題と、現代医療にとって『死』とはどのような存在なのか、
を読むものに気がつかせる。
そして頭を過ぎるのがマイケル・ムーアの『シッコ』だ。
アメリカ医療の酷さはどことなく今の日本の医療の先の姿のように思えてならなかった。
ここに登場する桜宮病院の院長の言葉、『医学とは屍肉を喰らって生き永らえてきた、クソッタレの学問だ。
お前にはそこから理解を始めてもらいたい。医学の底の底から、な』が、この作品を象徴している。
厚生労働省の考える『死』、病院の受け止める『死』、自殺志願者の『死』、末期癌患者の『死』・・・
どれも同じ『死』であるはずなのにこの作品では違って感じられる。
それは各々の『生』が螺鈿のように様々に光り輝いているからなのかもしれない。
圧倒的な読後感を残す傑作である。
2008年12月3日水曜日
タクミくんシリーズ 誘惑
こんなギイをみる事があるなんて、
納得できるようなできないような・・・。
話も、進んでるような進んでないような・・・。
人生の半分近くをタクミくんと歩んでいるから
期待が大きくて、満足することはありません。
続きを楽しみに待ってます。(また一年後 かな?)
2008年12月2日火曜日
夢をかなえるゾウ
ビジネスで成功する基本を大阪弁のゾウがユーモアたっぷりに教えてくれる。
別に目新しいことは何も教えてくれないが、自己啓発書と物語を組み合わせた
新しいタイプの語り口のせいか、飽きずに読み進めることができた。
すべて何かしらの本に書いてあるような事柄が新鮮に感じたのは、ゾウの
ユーモアによるものだろう。
ゾウの毒気があってもその気にさせられてしまう
語り口に親しみを感じた。
堅苦しい自己啓発書を読むよりも、同じ内容を肩の力を抜いて読める点で、
広く多くのビジネスマンにおすすめしたい。
まずは靴を磨くことから始めよう。
2008年12月1日月曜日
30歳の保健体育
書名も教科書みたいで面白いタイトルだが、オビに書かれた
「脱魔法使い宣言!」
「ピュアでシャイな男性への恋愛指南書」
魔法使いは色々な意味でピュアとしても、シャイかどうかは疑問である。
とはいえ、書名の通りターゲットとなる人物像は、30代に足を突っ込んだ、美少女系のアニメ・ゲーム好きの人間。機会があれば実在の女の子と良い関係を築きたいと考えている層を対象にしており、「ゲームの常識は捨てよ」など、出会いから性交渉まで、今までの遍歴を踏まえつつ、お付き合いを円滑に進めようと試みたマニュアルである。
「不必要に臆病にならなくても良い」と言う視点で書かれているようであるが、パートナーは相手がいてこそわかる醍醐味を、たくさん収めていると良かったのかなとも思う。
シナリオどおりに行かないことが楽しい。そんな視点を強調すると、もっと面白いのかも知れない。
余談だが、本屋で平積みにされていた所をネタのつもりで買ったが、ちょっと高めであった。
「これで彼女を捕まえたら、安いもんでしょ?」
と無言で語られている気もしなくもないが、この値段を払ってでもすがりたい層へのアプローチとしての値段設定なのかもしれない。
どのくらいの30代が購入し、成就まで至るのか統計的にもちょっと知りたいそんな気分にしてくれる本である。
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