2008年12月16日火曜日
乃木坂春香の秘密〈9〉
今回は春香芸能界デビューか?という話。あとがきにもあるように今回は裕人の視点で書かれている部分が多い。
それだけ裕人が葛藤したからであるが、春香への想いをはっきり自覚する結果に繋がったと言える。
今まで当たり前だったことが変わるかもしれないと知って初めて気付くその存在の大きさを学んだということだろう。
そのことを示唆してくれた【姫宮みらん】が何気にイイ仕事をしている。今回の登場の仕方のままだったら単なるウザいヤツで終わっていたが、ホントは善いヤツじゃん、というところ。
逆にダメなオトナを象徴していたのが春香をオーディションへ誘導した茅原さん。最初から最後まで嘘で固めている。オドオドして人の良さそうな印象だが、やってることは独りよがりの身勝手である。
オトナの事情もあるだろうからオーディションに参加させるまでは百歩譲るとしても、春香一人のために、しかも春香の意志も考慮せずに、オーディションに応募した他の多くの人達の夢と希望を踏み躙ろうとしたことは決して許されるものではなく、その前にこの人は乃木坂家を相手に何をしているのかと思っていたら案の定な結果になっていた。
お父さんにばれたら、という美夏の言葉が読み手の心情を代弁している。終わってみれば茅原さん以外には誰も迷惑を被らず、オーディションも正当に行なわれ、裕人の本気も春香に伝わるミラクルな展開になっており、作者の良心が見て取れるなかなか秀逸な結末とも言えよう。
最後に溜飲が下り、この話が巻を跨ぐことなく終わってやれやれである。さらに、今回も変に気を効かせたために報われなかった椎菜がなぜに?という行動で終わっているので早くも次巻が楽しみである。
ただ、裕人の想いが春香の方へぐっと傾いた直後だけにまたもタイミングが悪いなぁと思うのだが。
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